Java I/Oにフォーカスした本。Java I/Oは、シンプルな原則に基づいて数多くのインタフェース/クラスが作られているだけなので、一旦理解してしまえば簡単なのですが、理解までに時間がかかるかもしれません。そういう意味でJava I/Oにフォーカスした本というのは有益。しかし、この本ではJava I/Oの設計原則になっているDecoratorデザインパターンを一切説明せずに、個々のインタフェース/クラスを説明していきます。私はDecoratorを知っていて読んだので問題ありませんでしたが、Decoratorを知らない読者は依然「どうしてこんなにオブジェクトをラップする必要があるのか」分からないのではないかと思います。また、Java I/OにはInputStream/OutputStream系とReader/Writer系がありますが、この2系統の違いは十分に明快というわけではありません。さらに、この2系統を(簡便性のために)つなげてあるユーティリティクラスについては、さらに分かりにくい。こういうユーティリティクラスは、本来ならこうプログラムするはずだが、それがこう簡潔になっています、という説明が乏しい。
ある程度Java I/Oを使ったことがあるが、全体像はよく分かっていないという読者にはある程度有益な本だと思う。入門者向けではないと思う。各章が短く簡潔なのはとても読みやすい。
